Tuesday, December 24, 2013

吉田 最後の階級「硬くなったかも」 全日本レスリング



 「霊長類最強の女子」も人の子。緊張、自重で“らしさ”を失うことはある。とりわけ、この日は「最後の55キロ級」という感傷も加わって、吉田の出足は鈍かった。

 「ポカができない、負けたくないという思いで硬くなったかも」

 決勝は相手の猛進を受け流し、機を見て背後を取る「後の先」の立ち回り。6分間をほぼ受け太刀でしのぎ、宝刀の神速タックルは抜かずじまい。「この階級で十何年やってきた。最後は優勝したかったので」と、吉田の弁は歯切れが悪い。

 女王の不出来には、もっと深刻な根がある。近頃は「背中と腰に痛み」を抱え、幕開けから幕引きまで往時の「吉田沙保里」を演じ切るのは難しい。追われ続けるわが身に、息苦しさを覚えるようにもなった。

 来年から新設の53キロ級に戦場を求めるが、すでに31歳。アスリートとして老いていく自分と、伸びる若手の差は確実に詰まっている。「厳しいけれど、勝ってるからには辞められない」。“最強女王”のため息は、寄る年波の無情を思わせる。(森田景史)

鈴木逆転V 驚異のスコア 215・18点 全日本フィギュア



鈴木逆転V 驚異のスコア 215・18点 全日本フィギュア
ノーミスの納得の演技で優勝を果たした鈴木。ソチに挑む=さいたまスーパーアリーナ(古厩正樹撮影)(写真:産経新聞)
 ■「支えてくれた方に感謝」

 思いがあふれていた。鈴木は両手で顔を覆い、喜びをかみしめる。今季限りの引退を決め、最後の全日本をショートプログラム(SP)、フリーともノーミスで滑り切り「支えてくれた方に感謝して滑りました。いい演技ができてよかった」。情感豊かな4分間を作り上げ、ソチ代表と初の全日本女王をつかんだ。

 完璧だった。冒頭の3-2-2回転の3連続ジャンプを美しく決め、残る全ジャンプでも加点を得た。スピン、ステップはすべて最高のレベル4を獲得し「スッキリしました」。6歳から22年間、体に刻み込んだ“技”を、惜しみなくリンクに描ききった。

 長久保裕コーチも涙を流した。「夢みたい。とんでもないクリスマスプレゼント」と絶賛した。2010年バンクーバー五輪から4年。「滑りがよくなった」と師が分析したとおり、演技構成点5要素のうち4つで9点以上をマーク。曲や客席と一体になった滑りは、高い評価を受けた。

 食事などで競技生活を支えてきた母のケイ子さん(63)はこの日、愛知県豊橋市内で営む飲食店を休んで、駆けつけた。「最後の全日本なので。楽しませてもらいました」と、娘の姿を記憶に深く刻み込んだ。

 非公認ながら、最後の全日本で215.18点という驚異的スコアで決めたソチの舞台は「自分のスケート人生の集大成」。心を込めて“ラストダンス”を舞う。(榊輝朗)

「五輪に出たくないの」 佳菜子を目覚めさせた恩師のハッパ



「五輪に出たくないの」 佳菜子を目覚めさせた恩師のハッパ
会心の演技にガッツポーズの村上
 ◇全日本フィギュア最終日・女子フリー(2013年12月24日 さいたまスーパーアリーナ)

 今季不調だった村上が2位で五輪初出場を決めた。冒頭でトーループの2連続3回転ジャンプを決め、演技後半にも3連続ジャンプに成功。「プレッシャー、期待の中でおびえていた。今までは弱い自分だったけど自信になった」と進歩を口にした。

 7位に沈んだロシア杯後、70歳の山田満知子コーチから「五輪に出たくないの」とハッパを掛けられ、泣きながら「出たい」と答えて一日5~6時間の猛練習を続けてきた。「初めての五輪で緊張すると思うけど、もっといい演技ができるように頑張りたい」とうれしそうに言った。

小塚 落選にショック…引退の可能性も示唆



小塚 落選にショック…引退の可能性も示唆
スタンドからで女子の演技を見る(右から)高橋、小塚、無良
 ◇フィギュアスケート全日本選手権最終日(2013年12月23日 さいたまスーパーアリーナ)

 3位に入りながら2大会連続の五輪出場を逃した小塚は、ショックを隠しきれなかった。会場を去る際に報道陣に囲まれると「あの~、あの~、あの~…」となかなか言葉を見つけられない。引きつった表情で「連盟が決めたことなので従うしかない」と話した。

 1月の四大陸選手権の代表には選ばれたものの「今言われたばかりなんで…」と出場するかは微妙な状況。「これだけ“悔しい”って思えるところまで来られたのは周りの方のおかげ」と話し「今後については何も考えていない」と引退の可能性も示唆した。

小塚ではなく高橋選出の理由 五輪でのメダル期待値が決め手



小塚ではなく高橋選出の理由 五輪でのメダル期待値が決め手
五輪代表に選ばれた(左から)木原、高橋成美、村上、浅尾、鈴木、羽生、町田、高橋大輔、キャシー・リード、クリス・リー
 ◇フィギュアスケート全日本選手権最終日(2013年12月23日 さいたまスーパーアリーナ)

 全日本3位の小塚と5位の高橋が争った男子3枠目を決めたのは、五輪での期待値だった。

 日本連盟の小林芳子強化部長は「ソチに向けて金メダルを含む複数メダルを方針にやってきた。ワールドスタンディング(世界ランク)や今季ベストなど五輪につながるところをいろいろ議論した」と説明。30人弱の強化部で話し合った結果、高橋が残った。高橋の五輪代表入りについて多数決を取ったが反対意見は出なかったという。

 同部長は高橋サイドや担当医師から右膝の状態についてヒアリング。五輪には十分間に合うという回答も、選考の後押しとなった。